段階的診療法とは

段階的診療法について

4段階に分けた検査・治療で痛みの原因を探る“段階的診療法”
段階的診療法についてのイメージ

当院が行う段階的診療法は、

1、筋肉 2、関節 3、交感神経 4、トリガーポイント(ツボ)および神経絞扼

の順に、検査と治療を施していきます。

患者様の中で、部位が違うにせよ、以下のような体験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

足首のあたりに少し痛みを感じていたが、特段日常生活には大きな支障はなかったので、「そのうち痛みも治まるだろう」と病院にも行かず、放置していました。しかし数日経っても痛みは一向に治まる気配はなく、むしろ痛む範囲が広がったり痛みが強くなったりして日常生活に支障が出始め、おかしいなと思いはじめ、ようやく医療機関に行きます。なかには仕事や家事・育児が忙しくて更に症状が強くなってからようやく思い腰をあげて医療機関に通院される方もいると思います。このようなことを一度はなされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

上記は山火事に例えられると思います。
今回で言えば、足首に生じた痛みや症状はマッチの火です。マッチだけでは火も大きくはないですが、一度何か違う物に火が移るとそれが一気に燃えあがり、火事に発展してしまう恐れが出てきます。怪我も同じで痛みが数日間続くと、周囲の筋肉や周囲の関節に問題を起こさせてしまいます。また更には症状が発展すると、交感神経やツボ、または筋肉を通る神経が圧迫されてしまうなどの問題も生じてきます。

また放置しておくと火事は山全体に広がってしまいます。この山火事の状態になってようやく初めて医療機関に来られる方が多いと思います。火事が山全体に拡がっている状態でマッチ一本の火種(最初に出現した痛みの原因)を見つけることは非常に難しいです。

言いかえると、痛みの原因が複数からある山火事の状態では、一つの治療法により痛みの一時的な軽減はできると思いますが、根本の改善ができるケースは少ないと思います。治療直後は一時的に痛みは和らぎますが、また数日後に痛みが生じてくるのはこの状態を示しているといえます。痛みの根本を改善するためには複数からくる痛みの原因を一つ一つ丁寧に見つけるしかなく、この方法に最も適切なのは当院が推奨する「段階的診療法」です。

段階的診療法の具体的な流れ

筋肉機能不全や緊張不均衡に対する評価と治療
筋肉機能不全や緊張不均衡に対する評価と治療のイメージ

最初に筋肉や腱の状態によって生じている痛みを探し出し、その状態を改善していきます。
痛みの主な原因となるものとしては、筋肉の異常な緊張、筋肉痛、筋肉断裂、筋肉損傷、腱断裂、腱損傷などがあります。

対応方法
・マッサージ、ストレッチ運動などの徒手療法
テーピング療法
・温熱療法、直線偏光型近赤外線照射療法電気治療などの物理療法
・体操、ストレッチ運動、筋力トレーニングなどの運動療法

関節機能不全に対する評価と治療
関節機能不全に対する評価と治療のイメージ

筋肉の症状に対して十分な治療を施し、痛みが残っている場合は関節機能不全に対する評価と治療を行います。

この段階では関節の異常から生じる痛みを探し出し、その症状を改善していきます。痛みが生じる原因としては、関節の捻挫や動かない、かたいなどの関節の異常が考えられます。その対応方法としては、関節の運動促通、運動療法(ストレッチや体操)などが挙げられます。

交感神経節機能不全に対する評価と治療
交感神経節機能不全に対する評価と治療のイメージ

関節の異常に対して十分な治療を施し、痛みが残っている場合には交感神経節機能不全に対する評価と治療を行います。

この段階では交感神経節の異常によって生じる症状を探し出し、その症状を改善していきます。交感神経節機能不全の主な症状としては、原因不明のだるさなどの違和感、手足の冷え、しびれ、過剰な発汗などの諸症状が見られます。

その対応方法としては、物理療法(直線偏光型近赤外線照射療法電気療法)、テーピング療法などがあります。

トリガーポイントと関連痛および神経絞扼の視点での評価と治療
トリガーポイントと関連痛および神経絞扼の視点での評価と治療のイメージ

交感神経節機能不全の問題に対して十分な治療を施し、痛みが残っている場合にはトリガーポイントと、関連痛または神経絞扼(こうやく)の視点での評価と治療を行います。

この段階ではトリガーポイントと関節痛および神経絞扼(こうやく)の異常によって生じる痛みを見つけ、その症状を改善していきます。実際には、患部と痛みの原因となっている部位が離れている事が多く、ここでは患部と離れている別の部位を治療します。

その対応方法としては、
・マッサージ、ストレッチ運動などの徒手療法
テーピング療法
・温熱療法、直線偏光型近赤外線照射療法電気治療などの物理療法
・体操、ストレッチ運動、筋力トレーニングなどの運動療法